こんにちは、釜山っ子のギョンです😊
釜山で少しゆっくり街を歩きたい日に、私がふと思い出す場所があります。 宝水洞(ポスドン/보수동)本屋街です。
南浦洞や国際市場から歩いて行ける、小さな本屋街。 細い路地の両側に、古本や漫画、参考書、昔の雑誌などを扱う店が並んでいます。 東京でいうと、規模はずっと小さいですが、どこか神保町を思わせる場所です。
私にとって宝水洞は、観光スポットであると同時に、少し個人的な場所でもあります。 気持ちに余裕がなくなった日、私はときどきここへ来て、子どもの頃や学生時代に読んだ本を探します。
今日は、釜山の昔と今が混ざった宝水洞本屋街をご紹介します。

宝水洞本屋街の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 釜山広域市 中区 宝水洞周辺 |
| 最寄り駅 | 地下鉄1号線 チャガルチ駅(3番出口から徒歩約11分) |
| 営業時間 | 店舗ごとに異なる(18時半〜20時ごろに閉まる店が多い) |
| 定休日 | 店舗による |
| 所要時間 | 30分〜1時間(本をじっくり見るなら1〜2時間) |
宝水洞本屋街は一つの施設ではなく、個人の書店が集まった街です。 目当ての店がある場合は、当日の営業情報を確認してから行くと安心です。
宝水洞本屋街ってどんなところ? 📚
路地に入ると、まず目に入るのは本、本、本。
店の中だけでは足りないのか、入口の横にも、本棚の上にも、通路ぎりぎりのところにも本が並んでいます。 小説もあれば漫画もあり、児童書、参考書、雑誌、少し古そうな全集まで。
大型書店のように整然としているわけではありません。 むしろ、 「ここには何があるんだろう?」 と思いながら一軒ずつのぞいていくのが楽しい場所です。
私も宝水洞では、最初から「この本を買おう」と決めて歩くことはあまりありません。 棚を眺めていて、 「あ、これ昔読んだ」 と思った本を手に取ったり、表紙を見て昔の記憶が急に戻ってきたり。 そういう偶然があるのが、大型書店とは違うところです。

宝水洞本屋街のはじまり
宝水洞本屋街の歴史は、釜山の近現代史ともつながっています。
朝鮮戦争のころ、釜山が臨時首都となり、多くの避難民が集まった時代。 通りの案内板によると、咸鏡北道(現在の北朝鮮北東部)から避難してきた夫婦が、古い雑誌などを売りはじめたのが、この本屋街のはじまりだそうです。

この周辺は学校も多く、学生たちの通学路でもありました。 本が今ほど簡単に手に入らなかった時代、学生たちは読み終えた本を売り、そのお金で教科書や参考書を中古で買ったそうです。 そうして本屋は少しずつ増え、1970年代には70軒あまりの書店が並んでいたといいます。 避難してきた芸術家たちも、龍頭山を上り下りする途中で、この路地の常連になったそうです。

だから昔の釜山で宝水洞といえば、古本屋の街であると同時に、学生たちの生活に近い「本の街」でもありました。
私が子どもの頃にも、今よりずっと「学生が本を買いに行くところ」という印象が残っていた気がします。今は、参考書を買うために学生が大勢集まるような雰囲気ではありません。 それでも店先に昔の参考書や漫画がずらっと並んでいるのを見ると、 「この街にも、学生たちでにぎわっていた時代があったんだな」 と思います。
神保町に少し似ている。でも、もっと小さい
日本の方には、 「神保町をぎゅっと小さくして、もっと路地っぽくした感じ」 と言うと伝わりやすいかもしれません。
規模は全然違うので、「古書の街!」と期待して一日観光するつもりで来ると、たぶん驚きます。 でも私は、その小ささが好きです。 細い路地に本屋がぎゅっと並び、ふと横を見ると階段があって、その先には普通の住宅や小さな店がある。 観光地と日常の境目がはっきりしていないところが、この街の面白さだと思います。

気持ちに余裕がない日は、宝水洞へ
ここからは完全に個人的な話です。
忙しかったり、毎日同じことばかり考えていたりして、 「最近ちょっと余裕がないな」 と感じる日があります。 そんなとき、なぜか宝水洞へ行きたくなります。そして、子どもの頃や学生時代に読んだ本を探します。
最近ここで買ったのは、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』。 高校生の頃に読んだ本です。 当時この本を読んで、 「いつかピラミッドを見に行ってみたい」 と思ったことを、久しぶりに思い出しました。 あれからずいぶん経ちましたが、その夢はまだ叶っていません(笑)。
宝水洞でこの本をもう一度見つけて手に取ったとき、高校生だった頃の自分まで一緒に見つけたような気がしました。 本には、内容だけでなく「その本を読んでいた頃の自分」まで残っていることがあります。 宝水洞は、そんな昔の自分に会いに行く場所でもあります。
案内板にも、ここは古本が新しい持ち主と出会って生まれ変わる場所、という説明がありました。
同じ本なのに値段が違う? それも古本屋巡りの楽しみ
宝水洞を歩いていると、同じタイトルの本でも、店によって値段が違うことがあります。 「あれ?さっきの店ではもう少し安かったような……」 なんてこともあります。
古本なので、同じ本でも状態は一冊ずつ違います。 表紙の傷み方、書き込みの有無、出版された時期。そういう違いが値段に反映されているのかもしれません。
時間に余裕があれば、最初の店ですぐ買わずに、何軒かのぞいて比べてみるのも楽しいです。 数百ウォン、数千ウォンの差を真剣に比べる必要はありませんが、 「あっちの店にもあったな」 と思いながら路地を行ったり来たりする時間そのものが、この街の楽しみ方のひとつです。
ただ、古本には一点ものも多いので、本当に欲しい一冊を見つけたら、その場で買うのがおすすめです。 戻ったときには、なくなっているかもしれません。
古本屋だけじゃない、今の宝水洞
昔ながらの古本屋の間に、ブックカフェや写真館、小さな文化スペースも見つかります。
ぎっしり積まれた古い本のすぐ近くに、木の棚がきれいに並んだブックカフェがあったり、昔ながらの看板の横に、ちょっと今っぽい店があったり。 昔ながらの本屋をのぞいたすぐあとに、今っぽいカフェが現れる。そんなちぐはぐさも、歩いていて面白いところです。

「白黒写真と本」をテーマにした写真館もあります。 窓には「오늘이 가장 젊은 날(今日が一番若い日)」という言葉が書かれていました。 窓に出ていた営業時間は、11時から18時30分までです。


多様なカフェを見るのも楽しく、小さなカフェでも独立書店のように本を並べていたり、本格的なコーヒーを飲みながらLPを楽しめるカフェもあります。




韓国語が読めなくても大丈夫。お土産に本を一冊 🎁
「古本屋街は気になるけれど、韓国語が読めないから……」 と迷う方もいるかもしれません。 でも、本を買わなくても十分楽しめると思います。 昔の漫画、児童書の絵、古い雑誌の表紙。日本とは少し違う装丁を眺めているだけでも面白いです。
せっかくなら、旅行のお土産に一冊選んでみてはいかがでしょうか。 写真集でも、絵本でも、漫画でも。表紙の色や絵を見て、 「なんかこれ好きだな」 と思った一冊で十分です。
旅先で買った本は、家に帰ると不思議と特別なものになります。 何年か経って本棚から取り出したとき、中身より先に 「あのとき釜山の宝水洞を歩いたな」 と思い出すかもしれません。 お菓子やコスメとは少し違う、ちょっと変わった釜山土産です。
ときどき顔を上げて、路地も見てみて
宝水洞を歩いていると、横道に突然長い階段が現れたりします。 坂の多い釜山らしく、平らな本屋街ではありません。 階段沿いの壁には、星の王子さまのような絵も描かれていました。

壁沿いにオレンジ色の文字が並ぶオブジェ、本を抱えた人物像、本のかたちをしたベンチ。 歩いていると、ここが本の街だということをあらためて感じます。


足元の舗道にも、韓国の近代文学の作品名と作家名が刻まれたタイルが埋め込まれています。

ずっと本棚ばかり見ずに、ときどき顔を上げて、路地の奥や階段の先、足元も見てみてください。 「あ、こんなところにも」 という小さな発見があります。
宝水洞本屋街への行き方 🚶

地下鉄なら、1号線チャガルチ駅から。3番出口から徒歩約11分が目安です。
南浦洞や国際市場を観光しているなら、わざわざ地下鉄に乗り直さず、そのまま歩いて向かうのもおすすめです。 私なら、国際市場 → 富平カントン市場 → 宝水洞本屋街の順で歩きます。 市場のにぎやかな雰囲気から、少しずつ落ち着いた路地に変わっていくのが面白いです。
お店は18時半〜20時ごろに閉まるところが多く、写真館のように18時30分までのお店もあります。 本をいろいろ見たいなら、昼から夕方までに行くのがおすすめです。
どのくらい時間を見ておけばいい?
本屋街を一通り歩くだけなら、30分〜1時間くらい。 ただ、私のように、 「あ、これ懐かしい」 「あっちの店にも同じ本があった」 なんてやっていると、あっという間に時間が過ぎます(笑)。 本をじっくり見たり、カフェに入ったりするなら、1〜2時間見ておくと余裕があります。
宝水洞だけを目的にするより、南浦洞・国際市場・富平カントン市場と一緒に回るのがちょうどいいです。
こんな方におすすめ
宝水洞は派手な観光地ではないので、定番スポットを求める方には、少し地味に感じるかもしれません。 でも、
- 本屋や古本屋が好き
- 古い街並みが好き
- 目的もなく路地を歩くのが好き
- 旅先で少し日常から離れて、静かな時間を過ごしたい
という方なら、きっと楽しめると思います。
まとめ|昔の本と、昔の自分に会える場所
昔の宝水洞は、学生たちが教科書や参考書を買いに来る、生活に近い本の街でした。 今ではその頃の空気はずいぶん薄くなり、店の数も街の役割も少しずつ変わっています。
それでも私は、ときどきここへ来ます。 昔読んだ本を探して、その頃の自分を思い出して、一冊だけ持って帰る。
ピラミッドはまだ先になりそうですが、『アルケミスト』は、しばらく本棚に残ると思います。
南浦洞や国際市場まで来たら、予定を少しだけ空けて、ふらっと歩いてみてください😊
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